NORTH MORIYAMA LIBRARY AND CITY HALL

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  • 内観 利用イメージ
  • 南面立面
  • 内観パース

 

CONCEPT

滋賀県守山市に建つ、既存の地区会館の改修と図書館の増築の計画である。敷地近隣には小学校、幼稚園があり、子供から高齢者までが多様に交流できる場が求められた。地域住民の記憶に残る会館を残しながらも、誰もが立ち寄りたくなる新しい図書館空間とする必要があると考えた。

会館は、1979年に竣工したRC造2階建の建物で、元々の建築の姿を基本残して必要な耐震改修と補修を行った。RCラーメン躯体を補修して表し、共用部の床は、ビニールタイルを剥し、モルタル補修した上に自然塗料を染色塗装している。また天井はスケルトンとし、木ルーバーを取り付け、設備機器の維持管理を容易にした。また2階ホール東側のカーテンウォールや西側テラス側のサッシュは全てやりかえ、他は既存のものを残している。一部エントランスや事務所の一部は、既存建築の東側に図書館同様木造で増築している。増築した図書館は守山市立図書館の分館で、既存会館の南側に東西に長いヴォリューム配置としている。周囲の山々の稜線と呼応するように懸垂曲線の切り妻形状で3次曲面の大屋根は直線材の垂木材で構成されており、シンボリックな外観を表す。構造は木造で、北側、南側の一部を彩光を考慮した斜め壁が短軸方向の耐力壁として働くことで、1,2 階の図書エリアは、壁のない一体空間となるように計画した。図書館の構造体、内外仕上の杉材、家具は国産材の木材を用いている。屋根面の垂木材、柱、梁を表しとし、シンプルでありながらも有機的な木の空間が、図書館空間をつくっている。入口の子供図書エリアには、屋根荷重を受ける構造コアとして機能する木造ドームをつくり、子供の読み聞かせコーナーとした。ドームの仕上は内外共に土塗仕上とし、内外観のアクセントとなっている。また既存会館と増築図書館を繋ぐように事務所カウンターを配置し、双方のコミュニティ機能の活性化を図った。RCの既存会館と木造の増築図書館は、統合されることなく異なる姿で並置し、時代によって変化しながらも共存する建築の構えを表現しようとした。

■自然の光、風を取り入れた建築形態
図書館内部はがらんどうな空間となっており、二階図書エリアから一階を一望できる。図書館エリアは直射光を制御するように、東西に大きな開口部をもちながら、南面には中央ホール以外には開口部を設けず、壁の角度を 15 度程度傾け開口を設け、東側に開口部を設けることにより、図書エリアに入る直射光をカットし、間接光を導くようにした。中央ホール吹き抜け部には階段を配置し、南面には大きな開口部を設け、会館側にも光が導かれる様に計画した。傾けた壁間の各所に通風窓を設け、西側に設けた1,2 階の開口部を連動して、中間期の通風を確保している。また、耐力壁を軸に対して斜めに配置することにより、水平力を確保し、図書館内部に落ちる壁、柱を極力無くし、敷地条件から、南北に狭く東西に長い平面空間を有効に活用した。



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