Grounding project –Grave 01-

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CONCEPT
このプロジェクトは、芦澤竜一自らの芦澤家のお墓の建立計画である。
名目は、芦澤竜一の実父のお墓として、そしてここからつづく芦澤家代々の墓となる。

立地は山梨県の山岳地帯。
まわりはなだらかな山々と樹木に囲まれた日本的な美しい風景の場所である。

形状の基本コンセプトとなったのは、芦澤本人が父の会社のためにデザインしたコーポレートアイデンティティである。
「すべての人に開かれていて、たくさんの人が集う場所」
芦澤の父本人の考え方が墓のコンセプトである。

中央の円墳の上の墓石としての水盤はそういった思いを受けて、世の中に対する抽象的な受け皿として存在する。中央にたまった雨水は美しい山々の風景や移り変わる空の風景を映し出し、それを囲むかたちでベンチが配置されている。

この墓は芦澤家の墓であるが、この水盤の存在意義はもっと広範囲にとらえられることを望み、この場所(墓地付近)に立ち寄った人々にとってその瞬間の風景の一部として身近に立ち寄ってもらえるような存在であればという思いをもっている。

これから、何百年という時を経て、この水盤はその時代の空気の中で、その時代の風景を映し続けることとなり、その経過には芦澤本人もこの水盤の下に眠ることとなる。

何のために、何を重んじて、宗教について、お墓という存在について、など
もう一度当たり前に存在するこの慣習についても考え直してみたい。



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